反射するスーパーマーケットの白い屋根
マーケットレポート

クールルーフィングは空調コストを30%削減

2019年は暑さのために記録破りの年となっているため、クールルーフィングが建物温度および空調コストを低減させるための効率的かつ経済的ソリューションとして取り上げられています。日差しが強い期間に太陽光を反射する白色ルーフコーティング、というシンプルなアイデアです。多くの建物の屋根はクールルーフィングに替えることができます。

Project built by Cool Roof France

ギリシャ・キクラデス諸島では、白い漆喰塗りの家はいまでも印象的な美しさの一つです。白い漆喰で塗ることには意味があります。その目的は太陽の紫外線を反射し、室内を涼しくすることでした。「明色は暗色よりも熱を吸収しないことは誰もが知っています。これは我々が発明したことではありません!クールルーフィングのアイディアは、コーティングの反射性のおかげで建物の屋根が暖まるのを抑制することです。これが『クールルーフ (cool roof)』という名前を選んだ理由です。結果として空調ニーズは光熱費の最大30%まで減少しました。また、空調設備のない区域でも、室内の快適さは増します。」とCool Roof France社のCEOであるAntoine Horellou氏は述べます。このソリューションは極めて効果的なので、Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC: 気候変動に関する政府間パネル) はこれを「地球温暖化を遅らせる最速かつ最も安価な方法の一つ」と考えています。IPCCは「屋根を白く塗ることで、世界全体で2億5000万台の車に相当する年間1Gtの温室効果ガス排出量が削減できる!」と推測しています。2019年は観測史上最も暑い年の一つとなることが分かっていることから、急いで措置を取る必要があります。この夏、パリは前例のない高温となり、7月25日には42.6℃ (108.7°F) を観測しました。

米国はヒートアイランド現象 (UHI) を避ける白色屋根のパイオニア

Cool roofing technology with Kynar Aquatec®

このクールルーフィングの概念は米国ではすでに広く応用されています。実際には、1998年にすでに「Cool Roof Rating Council(クールルーフ評価委員会)」が創設されました。この非営利機関は、リサーチの支援に加えて、屋根表面の放射エネルギーパフォーマンスの評価のための正確なシステムを実施および伝達することを目的としています。ニューヨーク市にはすでに850,000m²(9,149,324ft²)以上の白色の屋根があります。これは気候変動との戦いに多くの時間と精力を注いだニューヨーク市の前市長マイケル・ブルームバーグ氏が先導して2010年に開始されたキャンペーンの結果です。ビッグアップル (ニューヨーク) ではエアコンの使い過ぎで生じる停電がたびたび起きているため、指摘される論点となっています。結果として、屋根を白色にすることで、標準的屋根の表面の測定ピーク温度80℃(176°F)は夏期の最も暑い時間中に半減しており、これにより建物内の温度は20℃(68°F)低下しています!

 

ここ5年以上にわたり、フランスを中心とするヨーロッパの日照量の多い地域の公共施設、ショッピングセンター、倉庫などさまざまな場所に、クールルーフィングの工事が行われています。 新しい「大気・エネルギー・気候プラン」(Plan Climat Air Énergie) を掲げるパリ市は、パリ市内の建物および屋根を熱波に適応するために、建物と屋根を改修する計画も試みています。 パリ市内の建造物の屋根は、通常建物と周囲の両方に伝わる熱を蓄積する従来の暗色のシーリング (亜鉛、ビチューメン) を使用されていることが確認され、当局はUHI (ヒートアイランド現象) の低減に貢献できる反射特性塗料で屋根を塗装することを推奨しています。

めざましい結果を示すクールルーフプロジェクト

Reflective cool roof on a barge

フランスでは、ニューヨークの例を注意深く観察し、クールルーフィングの効果を確信した3つの企業が2015年にCool Roof France社を設立しました。ブルターニュで設立されたこの会社は、まさにこの年、カンペールのLeclerc (ルクレール) ショッピングセンターの屋根の7,000m² (75,347ft²) の塗装の案件を初めて請け負いました。「我々の顧客は、特に空調設備から出るエネルギー消費を削減し、大型スーパーマーケット内の温度を制限したいと考えてました。収集されたデータは建物のエネルギー消費15%削減を示し、これは年間CO2換算値約4メートルトンに等しく、エネルギーに関して年間20,000ユーロの節減になります。他の利点としては、維持コスト削減および屋根の長寿命化があります」。それ以降、約50のクライントが同社のサービスを依頼しています。顧客には、アミアンのBoulanger (ブーランジェ) ショッピングセンター、パリのシャルル・ド・ゴール空港2Gターミナ、Villeneuve-Saint-Georges (ヴィルヌーヴ=サン=ジョルジュ)のパリ市消防局 、パリのスポーツ施設Gymnasium Maurice Berlemont 、およびセーヌ川に浮かぶAdamant (アダモン) 精神病院などがあります。

2018年に、Cool Roof France社は、Valence Sud (ヴァランス シュッド) の大型スーパーマーケットGéant Casino (ジェオン・カジノ) にフランス最大のクールルーフを設置し、18,000m² (193,750ft²) が白く塗装されました。この建物も感動的な結果を示しました。すなわち、スーパーマーケットでの屋根上の測定温度が36℃ (96.8°F) まで下がり、全体の光熱費が12%も減少しました。この成功に勇気づけられ、Casinoグループは、高温に起因する問題を抱える建物へのクールルーフィング導入に関する入札プロセスを立ち上げました。

空調設備の使用を抑えるための反射屋根

クールルーフィングは高価な空調設備への投資を避けるためにも使用できます。クールルーフ塗料を提供する企業Colasグループの子会社であるAximum社は、接着剤および粘着剤を製造するBostik社のR&D施設に関するフランス Oise (オワーズ) でのプロジェクトを完了しました。「1,000m²(10,764ft²)に塗布したこの反射コーティングは施設への太陽光の影響を制限し、夏期の熱的快適性を改善することから、我々は空調設備なしに建物内にいます。最初の測定は8月で平均25℃ (77°F) より低い温度を示し、ピークは30℃ (86°F) を超えました。翌年の夏、白色塗料の塗布後は室内温度が25℃を超える日がほとんどありませんでした!」とAximum社Jean-Baptiste Izart氏が説明するように、Aximum社の専門家は情報を提供してくれました。

 

別の例では、Cool Roof France社がクールルーフを設置したパリ10区にあるLouis Blanc (ルイ・ブラン) 小学校の例があります。室温の平均変化を測定し、「クールルーフの教室」と従来の隣の教室を比較した結果、両教室の気温差が6℃ (42.8°F) 未満あり、「クールルーフの教室」では夏の28℃ (82.4°F)を超えるような不快を感じる期間 がないことが分かりました。

白色の塗料は太陽光の95%を反射

White cool roof with Kynar Aquatec®

白色コーティングの品質は依然として厳しい状況にあります。したがって、Cool Roof France社は塗布プロセスの改善においてアルケマの専門的技術、すなわち、Kynar Aquatec® PVDFを使用する樹脂ベースの抗紫外線および抗白カビの最上層で保護された高反射性の水性白色塗料を信頼しています。米国のアルケマ社が開発したこの高耐性フルオロポリマーは、特にカリフォルニア、アリゾナ、ネバダなどの暑い州の建物に広く使用されています。Kynar Aquatec® 製の不浸透性トップコートは白い屋根の効果を著しく向上させ、修復の時間的間隔が拡大します。結果としては、従来の塗料の太陽光反射率70%と比較して、Kynar Aquatec® 使用時の太陽光反射率は95%でした。

「この製品は少なくとも20年間確実に耐久性を維持します。年に1度のクリーニングを推奨しますが、カンペールのLeclerc (レクレール) の屋根については、最初のクリーニングは3年後まで必要ありませんでした!」とCool Roof France社は語っています。

クールルーフィング市場

クールルーフは世界中で普及しつつあります。「フランスだけでも、平らな商業施設の屋根の面積は約500万m² (53,819,552ft²) を占めています。これらの多くは設置して10年以上経過しており、断熱性が下がり、小さなひび割れがたくさん見られます。クールルーフを使用した改修は、プロジェクトオーナー、建築家、およびエンジニアリング会社によってますます推奨されています。 これは明らかな兆候です。我々もまた、フランス全土および海外領土においてこの技術の認証認可システムを構築するために、大規模なクールルーフィングプランの実施を必要としています。」とCool Roof France社は述べています。規定変更への道は開けてきています。この例として、2019年7月23日の第三セクターに関する国家命令では、表面積が1,000m² (10,764ft²) 以上の全ての事業所に対して、エネルギー消費量を2030年までに40%削減することを要求しています。

クールルーフ技術によるエネルギーインテリジェンスの開発

Painting application for cool roofing

ブレストに拠点をCool Roof France社は、自社の顧客の経験的データを活用して、見込みのある顧客を啓蒙し、「この技術が機能することを証明するために、我々は熱センサーおよび空調設備の消費管理を使用してクールルーフを設置してきました。我々は多くの場合、間違った方法で物事を行っています。ビーチにいると暑いです、しかし空調設備を自分の隣に置こうとしようとはしません。日陰に移動しようと行動します!建物についても同じです。熱源に対処することから始めなければなりません。この場合は太陽放射熱です。空調設備のソリューションはほぼ体系的に選択されます。なぜなら人々はこれが大きな直接的影響をもたらすと考えるからです。これが必ずしも適切とは限りません。我々は顧客が自身の建物においてエネルギーアセスメントを実施できるよう支援するとともに、クールルーフ技術が建物の改善に大きく貢献することを示したいと思っています。我々は現在エネルギーインテリジェンスを開発しているところです!」と述べています。

 
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